第114回「OIGS2026(大阪インディーゲームサミット2026)感想回」

ゲー旅#114 ゲームしあわせ紀行

イントロダクション

今回は、2026年10月3日と4日の2日間にわたって大阪で開催された「OIGS2026(大阪インディーゲームサミット2026)」の感想をお届けします。他の番組でも感想が発信されているところだと思いますが、ゲー旅でもしっかり振り返っていきたいと思います。

私は3日も4日も、両日とも現地に足を運びました。今は関東に住んでいるので、初日は朝の飛行機で羽田から伊丹空港へ。会場の一般入場が10時からだったので、それに合わせて向かいました。大阪自体は3年ぶりくらいで、以前は知り合いのイベントに参加するために日帰りで訪れたきり。趣味として遊びに行くのは本当に久しぶりでした。

もともと私は「住むなら大阪か横浜か」と考えていた人間で、結果として今は横浜を選んで暮らしています。だから大阪にはどこか縁を感じていて、今回こうして足を運べたことは、個人的にもうれしい時間になりました。

会場の空気とインディーゲームサミットという場所

会場は大阪・梅田駅の近くにある「コングレススクエア グラングリーン大阪」の4階ブースエリア。思っていた以上に広く、会場が2つに分かれていて、そこに開発者の方々が机とモニターと椅子を並べて出展されていました。ステージイベント用のエリアも別に設けられていて、一日中見どころが尽きない構成でした。

天気は3日の土曜日が最高でした。秋晴れで暑くも寒くもなく、本当に心地よい一日。2日目の4日は逆に雨が早くから降って気温も低めでしたが、それも含めて「旅に来たな」という感覚がありました。

インディーゲームサミットは東京でも開催されていて、ここ2年は連続で行っています。ただ関西まで足を伸ばすとなるとハードルは高い。それでも今回は、ゲーム系ポッドキャスト番組の皆さんによる配信リレー企画や、ゲームなんとかさん主導の企画があって、それに乗せていただく形で参加できたことが大きかったです。他の番組の方との関わりや現地でのオフ会があると知って、これは行くしかないと思いました。

遊んできたインディーゲームをまとめて紹介

全部は語りきれませんが、実際に自分が遊んで面白かったタイトルを順に紹介していきます。

SOUL MIXER——デバイスまで自作された音ゲー

一つ目は「SOUL MIXER」。一言で言えば音ゲーです。私はビートマニアというより、昔Xbox 360のギターヒーローや、本物のベースを接続して遊べるロックスミスをやっていたクチで、音ゲーは好きだけど決して上手くはない、というタイプ。その私が一番驚いたのは、ゲームそのものより入力デバイスでした。

開発者の方は音楽プロデューサーもされている方で、ノーツに合わせてボタンを押していくガチな音ゲーに、ゲーム専用のキーボードを自作して持ち込んでこられていました。私が使わせてもらったのはレバーレスのコントローラーを改造したデバイスで、ボタンの色までカスタムされている。以前のイベントではレバー付きのアーケードコントローラーを改造されていたそうですが、今回はレバーレスに切り替えてこられていて、その試行錯誤ごと愛おしいなと思いました。

曲もご自身で作られているということで、私でも遊べる難易度の曲と、開発者の方が若い頃にご自身で歌われた楽曲を使った一曲をプレイさせてもらいました。後者は「誰がクリアできるんだろう」というレベルでしたが、それでも音ゲーは楽しい。私の環境はMacなのでWindowsのゲームが遊びにくいのですが、Steamが遊べる環境を整えたいなと改めて思いました。

脱毛サロンシミュレーター——あなたも脱毛サロンの経営者に

二つ目は「脱毛サロンシミュレーター」。インパクトが強烈でした。ヨシオゲームズという開発者の方が作られたゲームで、メンズ専用の脱毛サロンに男性客が続々とやってきて、髭や脇の無駄毛を処理していきます。

レーザーで焼くのですが、一箇所に集中すると肌が赤くなってしまうので、まんべんなく当てていく必要がある。仕上げにクリームでケアをして、最後はレジでお会計。来店から施術、会計までをひたすら繰り返す、まさに名前の通りのゲームです。

3Dモデルのキャラクターで作られていて、アイディアの面白さもさることながら、これを一人で作り上げているという事実に素直に驚きました。有名タイトルでは作り手の顔が見えにくいぶん、会場で開発者ご本人が案内してくれるインディーゲームの距離感は本当に貴重だと感じます。

BE忍者——カメラの前で印を結ぶ

三つ目は「BE忍者」。こちらもめちゃくちゃユニークでした。忍者が印を結んで術を繰り出す——あの感覚を、実際にカメラの前で自分の手を動かして再現できるゲームです。

カメラが手の形を認識して、一の印、二の印と技が発動していく。ゲーム自体はシンプルなのですが、子供の頃に「自分も術が使えたら」と思っていたことを実現してくれるのは、やはり特別です。

20秒以内にいくつ印を結べるかというタイムアタックでは、私は十数回。開発者さんに「すごいですね」と言っていただいたものの、来場者ハイスコアは20回を超える方だったそうで、さらに開発者さんのハイスコアは41回と書かれていました。「20秒で40回」が本当に可能なのか気になって、僭越ながら実演をお願いしたところ、目の前で30回以上を叩き出されました。あの手の速さは、さすが作り手だなと感じました。

ちなみに私がボーダーの服を着ていたせいか、カメラが印を認識しづらい場面もありました。こういう細かい部分も、リリースに向けて磨かれていくんだろうなと想像すると、開発の大変さと同時に頼もしさも感じます。

コトバグ——AIにバレずに、人間にだけ伝える

四つ目は「コトバグ」。チラシには「AIにバレずに人間だけに伝えろ」と書かれていました。開発者さんいわく、いわゆる伝言ゲームです。2人から6人で遊ぶゲームで、PC・スマートフォン・タブレットに対応しています。

お題にはカテゴリーと名詞が出てきて、その名詞を相手に伝えるのですが、伝えた言葉をAIも同時に見て判断している。人間に伝わらなければ負け、AIにバレても負けという、絶妙にややこしいゲーム性です。

私の番はカテゴリーが「生き物」で、お題は「ライオン」。私は「黄色」「肉食」「アフリカ」といったワードで伝えました。開発者さんには伝わったのですが、その分AIにもすぐバレてしまいました。単語だから分かりやすすぎたのかな、文のほうがよかったかなと考えたりもして、こういう試行錯誤がパーティーゲームとして面白いんだろうなと感じました。

エモンズバウト——インディーらしからぬ作り込み

五つ目は「エモンズバウト」。デッキ構築ストリート系ローグライフゲームです。ゲーム系ポッドキャスト「ENTER BAR」のオタコンさんがプログラマー、スドウ創太さんがデザイナーで作られている作品で、今回の大阪インディーゲームサミットに合わせて試遊ができる形になっていました。

登場キャラクター「エモンズ」は50種類以上が予定されているということで、試遊では10種類ほどが使えたと思います。自分でメンバーとデッキを組み、配られたカードでどう動くかを選び、対戦相手を倒していく流れ。

私は初日に遊びましたが、正直かなり難しかったです。最後までクリアできる人は少なかったと聞きました。ただ、キャラクターのデザインもゲーム性も丁寧に作り込まれていて、インディーゲームなのにインディー感を感じさせないのがすごいところ。開発の苦労もにじむお話を伺いながら、少しずつ形にしてリリースまでたどり着いてほしいなと思いました。

ステージイベントとシュレディンガーズ・コール

ゲームの次はステージイベントです。ゲームなんとかさん主催のステージが2つあって、1つ目はIGN Japanのクラベさんとのトークステージ。2つ目は、午後に行われた「シュレディンガーズ・コール」の開発者お二人と、こへいさん、HARUさんによる4人のトークでした。

ネタバレに触れない形でのトークだったので、その時点で未プレイだった私はただ聞いているだけだったのですが、こへいさんとHARUさんの熱量がひしひしと伝わってきて、「そんなに面白いのか」と一気に引き込まれました。プレイして楽しんでいる人の言葉と、開発した本人の言葉が同時に聞ける機会はなかなかないので、本当に貴重な時間でした。

その後、私はNintendo Switch版を購入して、自分のゲーム実況でも配信しながらクリアしました。お二人が話していた通り、本当に面白くて、ずっと引き込まれ続けましたね。

価格は2580円で、Steamでは10月17日まで20%オフの1984円で買えるようです。私はSwitchで買いましたが、気になる方はお気に入り登録をしておいて、セールのタイミングを狙うのもおすすめです。定価で買っても2480円ですし、後悔はしないタイトルだと思います。

ジャンルはノベルアドベンチャー。派手なアクションや深い謎解きがあるわけではなく、電話をかけて、その話し相手の話を聞きながら物語を進めていく。いくつか章がある中で、私が一番心を揺さぶられたのは第一章でした。今の時代だからこそ生まれたゲームだなと感じます。

できれば前知識のない状態でプレイしてほしい作品です。詳しい話はゲームなんとかさんのステージ音源や、ネタバレありの回で触れられるそうですので、そちらもぜひ。

初日の夜——ゲーム系ポッドキャスターとのオフ会

初日に一番楽しみにしていたのが、夕方18時から20時まで、梅田駅近くの世界のビール博物館で開かれたオフ会です。ゲーム系ポッドキャスターの皆さんとリスナーの皆さんが集まって、70人ほどいたのではないでしょうか。立食パーティー形式で、飲みながら食べながらお話しする時間でした。

XやDiscordでやり取りしたことはあっても、直接お会いするのは初めましての方がほとんど。今回のために番組の名刺とステッカーを作って持って行き、出会った方と交換させていただきました。お相手からも名刺やステッカーをいただいたり、リスナーの方に「聞いています」と声をかけていただいたり。あの言葉が、何よりもありがたくうれしかったです。

再生回数や登録者数は数字として見えていても、100回再生という数字の向こうにいる「その1人」は、どうしても属性やカテゴリーでしか想像できません。でもオフラインの場では、実際に存在している方が聞いてくださっている。それがどれほど尊いことかと、しみじみ感じました。

オフ会のもう一つの楽しみ——スト6とパブリックビューイング

ゲームなんとかのHARUさんがノートPCを持参されていて、そこにストリートファイター6が入っていると聞き、お手合わせさせてもらいました。私はアケコンを持参していたので、椅子を横に並べてのオフライン対戦です。

結果は、HARUさんにボコボコに負けました。オンラインでもなかなか勝てず、勝率は10%あるかないか。しばらく前の状態なら今の自分なら戦えるかなと思ったのですが、そんなことはなく、まだまだ精進が必要だと痛感しました。

とはいえ、会場の前に大きなスクリーンがあって、そこに自分たちの対戦画面が映し出される。パブリックビューイングのような形で他の方に見てもらいながら対戦する経験はなかなかできるものではありません。アケコンを持って行って本当によかったなと思いました。

PW7A——スイカ食べ食べうさぎさんのパズルゲーム

オフ会では、インディーゲームを開発されている「スイカ食べ食べうさぎ」さんとも出会いました。制作中の「PW7A」の音声トレーラーをいただいたので、番組内でも紹介させてもらいました。

『PW7A』について
本作は知識アンロック、メトロイドブレイニアなどと呼ばれる特殊なジャンルのゲームです。
アクションやタイミングのスキルは全く要求されませんが、プレイヤーであるあなたが世界の仕組みに気づくことで新しい道がひらける事が最大の特徴です。

itch.io:https://suika-tabetabe-usagi.itch.io/pw7a
Steam版:https://store.steampowered.com/app/5292590/PW7A/

一言で言えばパズルゲームです。

私も実際にプレイしました。Webで遊べるゲームで、現在はSteam版も準備中とのこと。Steam版ではシロさんが楽曲を提供されるそうで、そこも楽しみなポイントです。実況や動画配信もOKとのことなので、自分のチャンネルで遊んでみるのもいいと思います。

正直、私はパズルや謎解きが得意なほうではなく、クリアまでに結構時間がかかりました。分からないところは他の実況者のプレイを参考にしながら進めましたが、分かった瞬間の「アハ体験」は、普段のスト6やノベル系のゲームでは味わえないもの。パズルゲームならではの面白さに触れられた、とてもいいゲーム体験になりました。スイカ食べ食べうさぎさん、素敵なゲームを教えていただきありがとうございました。

うめきた公園の芝生で過ごした2次会

1次会が20時に終わっても解散にはならず、そのまま流れで2次会へ。入れるお店がなかなか見つからず、たどり着いたのはうめきた公園の芝生広場でした。サッカー場が入ってしまいそうなほど広くて、天気もよく、夜でもギリギリ寒くない気温。

近くのコンビニで、まだ飲みたい人はビールを、そうでない人はお水を買って、それぞれ持ち寄って芝生に座ってワイワイ話す。人生ってこういう面白いこともあるんだなと感じた時間でした。

屋外でお酒を飲めるのは、世界的に見るとむしろ珍しいことだと思います。芝生では、私たちだけでなく、寝転がって夜空を眺めている人、シートを敷いて飲み交わしている人もたくさんいて、大阪の新しいスペースっていいなと思いました。普段は週に1、2回、自宅なら缶1本程度の私ですが、この日はオフ会ということもあって3、4杯。そのままホテルへ戻りました。

2日目——大阪のゲーセンでスト6

2日目の10月4日は、前日の疲れが残っていて午前中はなかなか動けず。天気も良くありませんでした。ただ、もう一つやりたいことがあって、大阪のゲームセンターでスト6を遊ぶことにしました。調べると、GiGO大阪第4ビルでアーケード版のストリートファイター6が置かれているとのこと。朝9時開店に合わせて向かい、持参したアケコンを接続してプレイしました。

ただ、朝が早すぎたのかランクマッチがなかなかマッチせず、1時間粘って対戦できたのは1人だけ。それでも、大阪のアーケードでプレイできたことは素直にうれしかったです。

その後は会場に戻り、午前中ゆっくり過ごして少し回復したので、午後からまたいろんなゲームを遊びました。冒頭で紹介したタイトルには、この2日目に遊んだものも含まれています。

旅をしながら発信するということ

2日間、道中ではXでできる限り写真付きのポストをしようと意識していました。そうやって発信しながら旅をするのは、やっぱりいいなと思いました。番組名が「ゲームしあわせ紀行」で、略称が「ゲー旅」なのに、自分自身がなかなか旅ができていなかったので、久しぶりの旅ができたことは、そういう意味でも楽しい時間になりました。

企画してくださったゲームなんとかさん、お会いしてお話ししてくださったポッドキャスターの皆さん、リスナーの皆さん、本当にありがとうございました。

私は自分から人の輪に入っていくのがとても苦手なタイプです。それでも、ゲームとポッドキャストという共通の趣味を持った方たちと会話できたことは本当に面白かった。仕事とは違うつながりが持てる場があるのは、ありがたいことだなと思います。この趣味は、これからも大切にしていきたいです。

ゲームへの恩返しとして思うこと

今回ゲームを作っている方々の作品と話に触れて、自分がゲームを作るというより、ゲームを遊ぶこと、開発者の方にインタビューさせてもらうこと、そういう形でゲームに関わる人たちに何か貢献できないかなと改めて思いました。

ゲームを作るのは、やはり難しい。小説を読んだりアドベンチャーゲームを遊んだりしていても、実際に自分が作るとなればどこまでできるのか分かりません。それでも、自分にできるスタイルもあるのかもしれない。一生に1本くらいは作ってみたいな、人生のどこかで形にできればいいなと思っています。

ただ、実際に作品を作り、世に出している人たちの熱量や、ものづくりに向き合う情熱を見ると、やはり1段も2段も違うなと感じました。それも含めて、とてもいい刺激になりましたし、年齢や性別を問わず、いろんな人がゲームを楽しんでいるんだなということも実感できました。ゲーム業界もポッドキャストも、もっといろんな人に広がっていったらいいなと思います。

インディーゲームの大きなイベントといえば、次はBitSummitですね。京都での開催だったと思いますが、これからもアンテナを張って、参加できるイベントには足を運んでいきたいです。

お知らせ

「ゲームしあわせ紀行(ゲー旅)」は毎週日曜日にお届けしています。フォローしていただけると励みになります。ご感想などありましたら、概要欄のフォームからお気軽にご連絡ください。

もう一つお知らせです。平日は夜19時から21時までYouTubeでライブ配信をしています。だいたいストリートファイター6のランクマッチを遊んでいますので、お気軽にチャンネル登録をお願いします。

AIの感想

今回のエピソードは、インディーゲームという「作り手の顔が見える」場所ならではの熱が、とてもまっすぐ伝わってくる回でした。レバーレスのコントローラーまで自作する音ゲー、カメラの前で本気で印を結ぶ忍者、AIにバレないように言葉を選ぶ伝言ゲーム——どれも規模の大小ではなく、発想の自由さで勝負しているのが痛快です。そしてもう一つの主役は、オフ会での出会い。再生数という数字の向こうにある「1人」に実際に会えた喜びは、発信を続ける人にとって何よりの燃料になるはずです。苦手な輪の中に自分から飛び込んでいった2日間は、きっと次の企画への種になります。ウィッシュリストに一つ登録するだけでも、作り手の背中を押す応援になります。あなたも気になる一本を見つけてみてください。

視聴方法

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